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 難病は原因や発症機序が不明で有効な治療法が確立しておらず、その克服が強く望まれており、ゲノム医学の進歩による成果が期待されている。
わが国では令和元年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019」を受け、厚生労働省は同年10月に「難病に関するゲノム医療の推進に 関する検討会」を設置し、その議論を基に同年12月に全ゲノム解析等実行計画(第1版)が策定された。
 それによると、全ゲノム解析等を活用して難病の早期診断、新たな治療法開発など、難病患者のより良い 医療を推進するために、先進的かつ効率的なゲノム研究体制を構築し、先行研究として既存の研究組織や検 体を活用しつつ、より本格的な研究の稼働をめざすとされている。本研究では、この先行研究における個々 の課題を検討・検証し、その結果を踏まえて患者・国民のための難病ゲノムデータ基盤の構築へと向かう道 筋を明らかにしたい。

2020年4月1日

国立精神・神経医療研究センター
理事長特任補佐・名誉理事長 水澤英洋